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伝統工芸を継承する方法

確信的なタイトルをつけてしまいました。

こんな事言っちゃうと「そんな事分かってたら苦労しないよ!」と突っ込まれそうですが、あえてそのようなタイトルにさせてもらっております。

是非最後まで読んで突っ込んでください。

それではどうそ。

 

 

 

・知ってもらう・

 

1にも2にもまずは存在を知ってもらうことが大事です。

知ってもらうことが出来なければ産業としての発展や担い手の確保も出来ません。

hinomeとしてはクラウドファンディングや朝倉災害支援のチャリティTシャツなどによりテレビやラジオ、新聞で甘木絞りの存在を全国の人に知ってもらうことが出来ました。

こうやって存在を知っている人を増やせば、自ずと買ってくれる人も増やすことが出来ます。

間口を広げよりたくさんの人に知ってもらう事ができれば産業としての発展、担い手を確保できる可能性は高くなります。

 

 

・「目的」と「手段」が入れ替わっていないか?・

 

これは伝統工芸以外の人達も割と陥りやすい問題です。

ここを間違ってしまうといくら努力をしても上手くいきません。

なぜなら間違った努力をしてしまっている可能性が高いからです。

上手くいっていない場合はここをきっちり見つめ直す必要があります。

 

「目的」とは目指す事柄。「手段」はその事柄を達成するための行為、方法です。

 

甘木絞りで例えてみます。

甘木絞りの目指す事柄は産業として復活、そして繁栄をしていくことです。

その事柄を実現するためにブランドの価値を上げることや他との差別化を図ること、たくさんの人に知ってもらうこと等が必要になります。

つまり「目的」は産業としての復活、繁栄、「手段」はブランドの価値を上げる、他との差別化、知ってもらうこと等です。

 

 

より具体的な話をします。

甘木絞りの特徴は「括り(くくり)を基本にした絵画的デザインのものを藍で染めたもの」と言われています。

これは他の絞りと差別化をするものであり「目的」のための「手段」になります。

この特徴(差別化)により甘木絞りは繁栄し日本一の生産高を誇ることが出来ました。

たくさんの需要(人気)があり、たくさんの人に売れたのです。

しかしこの特徴を持たせるということが「手段」ではなく「目的」になってしまったらどうなるか。

例えば時代が変わり絵画的デザインが流行らなくなってしまったら。

例えば価値観が変わり藍染めが好まれなくなってしまったら。

 

特徴を守ることが「手段」ではなく「目的」となってしまった場合、時代や価値観の変化に対応出来なくなっていきます。

商売(産業)は時代の変化を敏感に捉え、その時代に必要とされているものをいち早く提供することが大事になります。

時代の変化とともに表現やアプローチを模索し、新たな需要を取り込む事です。

その為には今までのやり方や方法、特徴をその時代や価値観に合わせてアップデートしていく必要があります。

これを怠り、伝統を守り続けるや変わらないものを作り続けるなど言って時代を無視してしまうと途端に産業としての衰退が加速していきます。

そんなことにならない為にも「目的」と「手段」をしっかりと理解し、変えていくべきところ、変えてはいけないところをしっかりと見極める事が重要になります。

 

 

・稼ぐ・

日本人特有の考えなのでしょうか、お金を稼ぎたいという話をすると何故か卑しいと思われてしまいます。

特に伝統工芸のような職人が携わる産業だとなおさらその傾向は強くなります。

しかし現代社会のルールで生活していく以上、稼ぐことを考えないと生きていくことは出来ません。

むしろ伝統工芸のような質の高いモノヅクリをしているなら、なおさら適正な対価を得る為にお金の事を考えなくてはいけません。

 

そして稼ぐということは自分たちの為でもありますが、未来の伝統工芸を支えてくれる担い手の為でもあります。

長年不景気から抜け出せない日本ですが、このような時代に産業としても成り立っていない伝統工芸の世界に飛び込もうという若者は相当に変わり者か(私のような)、バカ(私のような)しかいません。

まともな若者であれば産業として成り立っていない上に、不景気で普通にお金を稼ぐのも大変な時代に伝統工芸をやろうとはまず考えません。

 

リスクが大きすぎるからです。

 

そのようなリスクを少しでも減らす為に、まずは自分たちがしっかりと伝統工芸で稼いでいる姿を見せなくてはいけません。

そして伝統工芸に少しでも興味を持った若者をサポートしていく必要があります。

地域によっては行政から後継者育成の支援補助金などが出るようなのですが、朝倉市には現在そのようなサポートはありません。

行政からのサポートが無いのであれば、事業者自らが担い手をサポートすればいいだけです。

その為にもきっちり稼ぐこと、お金のことを考えることが必要になります。

 

 

 

長々と書かせてもらいましたがこれがhinomeの考える伝統工芸を継承する方法になります。

本当はまだまだ書き足りない事がたくさんあるのですが、書ききれなかったので次回にまた書かせていただこうかと思います。

これが口だけにならないように、これからしっかりと結果を出していきます。

どうぞ今後ともhinomeにご期待ください。

 

 

 

2017年11月8日 カテゴリー: その他

 

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