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伝統工芸のものづくりにおいて

6月に入りますます気温が高くなってきており、染めの作業中はタオルが必須です。

水分もこまめに取り、体調管理には気を付けています。

ただ気温が高くなるほど染めた布がすぐに乾いてくれるので作業効率としては非常に助かるのですが。

 

さて、先日は甘木歴史資料館にて甘木絞り連絡協議会の総会がありました。

甘木絞りを名を掲げてブランドをやり始めたので、今回初めてこちらの総会にお呼ばれしました。

そして総会の話を通して伝統工芸のものづくりというものを改めて考えさせられました。

 

hinomeが目指す伝統工芸のものづくりは「文化、技術的な部分を残しながら産業として発展させていく」ことです。

伝統工芸と考えるとどうしても文化、技術的な部分を重要視してしまい、守りに持ってしまいがちです。

しかしそこを重要視してしまうと現代の人たちのニーズに答えられない、宣伝や広告など販売へのアプローチが弱くなってしまいます。

もちろん保守的な考えがあったからこそ今の日本は沢山の伝統工芸が残っていると思うのですが。

逆に産業面のみを重要視してしまうと手作業はコストの面から排除され、単調なものばかりになってしまい伝統工芸ではなくなってしまうと思います。

 

大事なのは文化、技術的な部分と産業としての部分のバランスです。

 

値段が高い、使いづらいけど伝統工芸を残したいからという気持ちで商品を買ってくれる人はごく一部の人だと思っています。

一般の人たちは(私を含め)やはり安くていいものを使いたいと考えます。

もちろんごく一部の人たちに向けて伝統工芸を残していく方法もあるかと思いますが、hinomeとしては沢山の人たちに甘木絞り、そして伝統工芸を届けたいと考えておりますので、産業としてのアプローチをまずは強くしていこうと思っております。

何より甘木絞りを残していくためには産業として発展させない限り難しいとも考えているからです。

伝統工芸においてこういう現実的な話はあまり話すべきではないという意見もあるかと思いますが、実際問題として考えていかなければならないと思ったのでお話をさせていただきました。

 

 

2017年6月2日 カテゴリー: その他

 

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